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狐火流し殺人事件、ラスト第11話です。

「――どんな理由であれ
 お前が6年前の友情を殺しに利用したことを俺は絶対に許さない」

陸にそう告げながらも遭難組に真相を明かすことをせず、
陸が自首することを友人として望んだ金田一。
そして図らずも、凜の父から茉莉香の本心を知ることになった陸は、
遭難メンバーがそれぞれの場所に帰るとき、一人
罪を認めて償う道を選択しました。

仇を討った人間がうまく逃げられたあとで晴れて人生をやり直せたか。
その答えはもうわかりませんが、
罪を認めた陸の感謝と別れの笑顔はきっと本物です。

他のメンバーが最後まで真相を知らされない
不思議な幕引きになりましたが、
遭難組が全てを受け止めるにはまだすこし時間が必要、
金田一はそう判断したのかもしれません。


とかなんとか、推理する部分も終わっているため
締めの部分について何かコメントしようとするとクサい感じになりますね。


凛がイタズラに関わっていたかどうかについては、茉莉香の

「あたしと凜と光太郎の三人でやったのよ!」

という台詞でしか判断できない状態でしたが、

「・・特に陸にはちゃんと言っておかないと」

と、陸に謝罪する意志を示した茉莉香に対する、凜の

「そうだね茉莉香」

という同意していた描写が、
凛もイタズラに関与していたことを間接的に示す役割を
果たしていると一応は考えられます。
また普通に光太郎も凜もイタズラに関わっていた、
それ以上もそれ以下もなく、それ以外の何かを読み取れるように
意図してか描かれている部分も特にないと思われます。

しかし、光太郎と凜を殺す動機が不確かな茉莉香の台詞に頼りすぎていて、
確信して殺すには根拠が弱いという印象を与える構成になっています。
おそらく、「光太郎と凜がイタズラに加担していたという設定」
を知っている作者側とそこを確信できない読者に
感覚のズレが起っているのではないでしょうか。
漫画的には3人がイタズラを行っている回想の1コマや、
誰かに謝りたい意志を見せる凜の描写、
光太郎殺害前のシーンで、
光太郎に心当たりや後ろめたさが見える描写等があれば、
そのへんのもやもやが少なくなったかもしれません。
上記例はあくまで神視点で読者を納得させるものであり、
陸が茉莉香の台詞だけで光太郎と凜を殺したことの
強引さを解消するには別のアプローチが必要になりますが。


「水筒に生きたスズメバチ」は
小学生のイタズラにしてもシャレになってなさすぎて
とても擁護できるレベルではありませんが、
今回事件が良かったので無理やりにでもフォローしておくと、
「陸がびっくりするだけ」という小学生らしい浅はかな見積もりと、
祭りの終わりを惜しむテンション、複数人でイタズラを決行するという
わくわくするシチュエーションによって、
本当に軽い気持ちで行ったイタズラだったのでしょう。
現実でも、大の大人が落とし穴のイタズラで人を死なせてしまったとか
あったじゃないですか。

全然フォローになっていませんね。

それはそれ、これはこれとして
茉莉香がイタズラを後悔していたことを踏まえて
第10話を読み返してみると、
茉莉香が甚だしい逆切れをしていたことに変わりはありませんが、
強い後悔の念もあったからこそ、
謝罪できるタイミングが唐突に訪れてしまった故の混乱で
口をついて出た言葉がアレだったとすれば、
少しは理解できる…ような気もします。


そんなこんなで雪影村に続き第2の美雪なし
長編となった狐火流し殺人事件は、
久しぶりに容疑者を丁寧に描きつつ、
これまでにない終わり方で独特の余韻を残して無事完結。
第II期の中で一番好きと言える事件となりました、
めでたしめでたし、終。


51号から始まる新シリーズであいましょう。

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