推理漫画レポートへ戻る

<DATA>
作者漫画:佐々木倫子 原作:綾辻行人 
掲載小学館 月刊IKKI
連載期間2005年~2006年
単行本上下巻

月館の殺人 上  IKKI COMICS月館の殺人 (下)


2大ストーリーテラーが贈る至極の鉄道ミステリ(単行本帯より)

祖父――まだ見ぬ唯一の肉親に会いに行くため、夜行列車<幻夜>に乗り込んだ17歳の女子高生・空海(そらみ)。だが、乗り合わせた乗客たちはあまりに奇妙、しかも初めての北海道、雪、列車と、沖縄育ちの空海を眩暈がするほどの混乱が襲い……そんな中、事件は起こる!!(上巻・カバー裏のあらすじ)

という内容の、漫画界の巨匠と推理小説界の巨匠がタッグによって生み出された鉄道ミステリ。上巻の舞台が夜行列車<幻夜>、下巻の舞台が鉄道館<月館>という金田一少年でいう魔術列車のような構成で、丸々単行本2冊を使った長編作品になっている。


鉄道オタク達が繰り広げるコミカルな殺人劇

登場する人物達はその道を極めた鉄道オタクの人ばかりで、そんな彼らは事件中にもコミカルに描かれている。重くなりそうな状況でも、鉄道知識に絡めたボケとツッコミが繰り広げられ、コメディのような雰囲気の中話が進んでいく。ギャグ的なやり取りは実に慣れた感じで、佐々木倫子氏の他作品の魅力を垣間見ることが出来る。同時に事件の雰囲気も壊しているわけではなく、推理漫画として一風変わった雰囲気を醸し出している。


推理クイズとして

推理作家が原作を担当しているだけあって、真相にいたる伏線はいたるところに張り巡らされていて、推理物としてフェアーな作品となっている。
下巻の真相部分は丁寧にも灰色で色分けされており、推理する読者を意識した単行本構成は地味にありがたい。自分は犯人の○○には○があるという仮説にはたどり着いたものの、○○の○を隠せる○○が犯人であるという適当な推理を立て、外してしまう結果となったが、残りの数十ページを我慢してじっくりと腰を据えた推理を行うことができる読者ならば真相にたどり着くことは可能と思える内容である
(ネット上でも真相を当てた人を確認済み)。
作品のトリック関係はわりと地味。原作の綾辻氏は、「館シリーズ」など金田一読者に超がつくほどオススメの推理小説を書いているが、氏の小説のような派手な内容をこの漫画に期待すると、少々肩透かしを食らうかもしれない。

最後に

佐々木氏も綾辻氏も始めての人には、
佐々木氏の他の作品も読んでみたいと思えるような作品に出来ているかもしれない。
堅実な長編ストーリーの推理漫画を読みたい人にオススメ。


推理漫画レポートへ戻る

スポンサードリンク


  
トラックバック
トラックバックURL
→http://kindaichi1.blog97.fc2.com/tb.php/101-9ed0d716
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)